アルコール依存症

アルコール依存症の治療期間は一生

嫌な言い方ですが、私はアルコール依存症の治療は一生続くと思っています。一度は自身でアルコール依存症だと認めて医療機関にかかり離脱症状と闘い、似たような境遇の人と話をしたり、再度自分がアルコール摂取で周りの人に迷惑をかけていたと痛感して、やっと社会復帰できたとしても再発の恐れはあるどころか、周りの人が楽しく飲むお酒は自分にとっては心のたがが外れるきっかけなのです。私自身も大いにそのつもりです。

そう思うのも、私自身アルコール依存症の症状が軽度で済んだことと、もしも今、昔の若い魅力全開だった頃のように酔っ払って暴れた日には痛々しくて目も当てられないという現実を知るからか。動機は何だって良いのです。全く違う考え方をしてみるとします。お酒を買うお金は寝ていても転がり込んできて、家族はいないけれど生活の面倒を見てもらえるお金だって有り、酔ってもニコニコしてひたすら音楽を聴いたり部屋で映画鑑賞をするだけなら、そのままでもいいでしょう。ただ酒が無ければ不安定だから飲酒する状態。このような場合なら亡くなるまで飲酒しても良いでしょう。ですが、そんな人は物凄く稀でしょうね

ようするに、言い過ぎかもしれませんが誰にも迷惑がかからないなら何をしても良いのです。今はアルコール依存症の治療に新しい薬を導入したとかで、「お酒が飲みたい。お酒が欲しい」という欲求を抑える薬を用いた治療だとしても、その薬でアルコールを求めなくなったとしても薬は一生手放せないのでは?と思うのです。

私自身もアルコール依存症であり、浅い知識と認識で「もう治った」とは言いましたが、昔のように飲酒をすればどうなるか分かりません。いつも節度を持って楽しく飲んでいますが、結局大暴れする引き金となる人と状況に遭遇していないからであって、将来の事など考えなくなった時に飲酒をすれば、また大暴れする可能性はあるのです。

私でなくても過去アルコール依存症を患い散々誰かに暴力や暴言を浴びせ、それでも禁酒して数年経過していて、少し飲むだけなら…と飲酒を始めてしばらくおとなしく飲むようになり、いつの間にか量も増えていたらアルコール依存症を克服していたとは言えないのです。ただ飲まなかっただけ。境界線が少々曖昧なのです。

そういった、一度どん底までいったけれど禁酒をして数年経ったけれど飲酒はしている…という状態でも気を抜いてはいけません。アルコールが手放せなくなっていた時を思えば、回復した今がどれほどありがたいか今一度見直すのです。

アルコール依存性を克服するために

アルコールだけでなく、依存性全般回復が困難とされています。その理由のひとつ、風邪をひいたから風邪薬を処方してもらうとか、虫歯が痛むから歯科医院で虫歯箇所を削って埋めるといった治療法ではないからです。依存性とはアルコールでも薬物でも、物質に対する欲求がコントロールできない病気であり、それが「脳だけが欲求を促している」というわけでもなく、とても複雑な要因が絡み合って依存性になるのです。

アルコール依存性の人が、俗に言う酒浸りの状態が続いていたとします。脳の一部が「お酒が欲しい」という欲求を強く強く出してきます。この時で、アルコールに対する理性を伴った欲求ではなくなっていて、身体の中ではアルコール摂取によって血中アルコール濃度が高い状態でないと我慢ができなくなっています

イライラ、不眠、震えなどの症状がでます。依存性の怖いところは、一度良くなったようでも一杯のお酒で逆戻りする事が多く、むしろ通常飲酒ができない人生しか無いと言っても過言ではないからです。アルコール依存性を克服するには断酒しかありません。そして、その断酒の前には専門の医療機関での処置を受け、離脱症状の消失を待ち、体力の回復、精神的なケアをしなくてはなりません。

絶対にお酒は今後飲まないと高く誓ったとしても外来治療の対象です。アルコール依存性患者は生活リズム、人間関係、仕事などの身の回りを取り巻く全てが大きくバランスを崩している事が多いので、本人の意思だけで元の生活を建て直すのは困難です。医療機関にかかる目的は入院の有無や投薬だけではなく、克服や意思の確認にも役立つのです。


アルコール依存症症状と一生続く治療

アルコールでも薬物でも依存症になってしまったのなら絶つしか方法はありません。経つ、やめるといっても依存する物が引き付ける魔力に勝ってこそ経つと言うのですが、これがなかなか難しいから依存症という病気になっているのです。

アルコール依存症治療は、軽度であれば断酒も比較的楽に進みます。断酒とはいかなくても、一杯二杯飲んですぐにお開きにできるのであれば断酒でなくても構いません。その、「すぐにお開きに…」というのも凄まじい欲求に勝たなければならず、余計に苦しい思いをすることも多々あります

私自身もこの状態で、酔って心のタガが外れるのは目に見えているので一杯二杯でやめておこうとしても、やはり酔いが回り始めると歯止めが効かずに酔い潰れるまで飲むこともあります。いっそう「お酒が飲めない」と言った方が楽なのでは?とも思うのですが、飲んでしまう時点でアルコール依存症が治っていないのですから、飲む限り苦しみは続くと言っても過言ではありません

そもそもアルコール依存症には治った状態というのもはなく、断酒を継続するのが治療のゴールです。治療には、まずは専門医に相談することから始め、カウンセリングをして依存症の進み具合を診ます。軽い症状であれば外来治療で、坑酒剤と心理療法になります。坑酒剤は二日酔いが重くなったりお酒が不味く感じるなど、お酒に対しての意識を低下させるもので、自然と禁酒する日が増えてきます。そこに、これからはお酒がなくても良いと思えるよう積極的にカウンセリング、心理療法、自主グループへの参加をして継続させます。軽いとは言えアルコール依存症ですから治療は一生です。

臓器障害や重い離脱症状があれば入院となります。入院中は、いかにアルコール依存症という病気は危険なものかを本人に受け止めてもらうための学習から入り、離脱症状が重いようなら精神安定剤も用いてアルコールを体内から抜いていき、弊害の起こった体への合併症治療をします。

病院なのですからお酒は飲めるはずもなくだいたい2〜3週間でアルコールが抜け、治療により体調も良くなり精神面も落ち着き心理療法での言葉も心に沁みてきます。このまま飲まずに居られると思えるように自信も付き、例会や個別で心理療法を行います。退院後も定期的なカウンセリングや自主グループへの出席で断酒と断酒へのモチベーションを継続させることに励まなくてはなりません。何年も飲んでいないのだから…と、一杯だけならと飲み、逆戻りする事を防ぐためでもあり、それは一生続きます。アルコール依存症は、どんなに軽い症状でも方法は変われど一生治療は続きます


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